ごあいさつ

院長コラム第3回

院長コラム第3回
健康管理、からだのメンテナンス
〜運動と、身体の歪みを正すための足の重要性〜

2017
年11月19日


ライオンの無料アイコン2.pngいい食事をしているのに調子が悪い

 

それなりに食事に気を遣っているのに、なんとなく体調が悪いなぁと感じることはないでしょうか?

今日はその答えを探るために役に立ちそうなお話をしたいと思います。

まずは次の3問に答えて下さい。

 


 問1
:良い便と良くない便が出ているのでは、どちらが健康的だと思いますか?

 問2:身体に良い食事と良くない食事では、どちらが健康的だと思いますか?

 問3
:良い食事をしているのに良くない便が出るのと、良くない食事をしているのに良い便が出るのでは、どちらが健康的だと思いますか?

 

問1、問2の答えは簡単。良い便がでているとき、良い食事をすること、ですね。
これらに関しては異論がないと思います。

問3はいろいろな人に問いかけましたが、意見が分かれました。
良い食事をすれば良い便が出て、良くない食事をすれば良くない便が出るのが普通なので、逆の結果になっていることをどう考えるかです。


前回の講座では「食事を変えると身体はここまで変わる」というお話をしました。食事を少し工夫するだけで体調ががらりと変わるということは、私自身も体験しておりますし、日々の臨床の中でも感じています。

しかし、良い食事をしているはずなのに、良い便が出ない、なんとなく体調が良くない、というケースもしばしば見受けられます。
考えられる原因は次の2つに集約されます。

 

①良い食事と思っていても、間違った方法でやっている、あるいは、その人にとって適切でない。

②食事以外の要素に何か問題がある。

 

①に関しては、食事の記録をつけてもらい、勘違いしている部分を正し、より適切な方法でその人の体質に合わせた食事に変えていけば、対応が可能です。

問題は②の場合。いったいどこに問題があるのでしょうか?

 

ライオンの無料アイコン2.png健康状態に関わる食事以外の要素

 

 以下に考えられる項目を列挙してみます。

 ①運動しているかどうか?運動量ややり方が適切かどうか?
 ②身体の歪みがあるか?どこがどう歪んでいるか?
 ③自律神経のバランスの乱れがあるか?
 ④睡眠時間が十分か?深い睡眠がとれているか?
 ⑤生活リズムが自分の身体に合っているか?
 ⑥電磁波の影響を受け過ぎていないか?
 ⑦歯の状態は悪くないか?

 

ひとつのテーマだけで何冊も本が書けるほど、膨大なデータが蓄積されていますので、すべてにおいて正しいやり方を実践すれば、きっと健康な身体を手に入れることができるでしょう。

しかし、日常生活の中ですべてを実践していくのはかなり困難ですので、まず簡単にできるものから始めるというのが現実的なやり方です。

私自身も少しずつ実践してきましたが、今回は運動の重要性と、身体の歪みを正すための足の重要性にテーマをしぼって述べたいと思います。



ライオンの無料アイコン2.png私が健康を取り戻した方法

 

私は生まれてから33年間、薬漬けの生活を送っていましたが、それをやめようと決断して、最初に出会ったのが甲田光雄先生でした。

先生の指導は、食事に関しては生菜食療法がメインでした。

食べていいものは、生の玄米粉、青ドロ(ケールの青汁に食物繊維の部分も混ぜたもの)、豆腐の3つだけです。

まじめに実践していると、便が今までにないくらい大量に出て、体重はぐんぐん減り、身体がどんどん軽くなっていきました。

この食事療法を実践しているときに、同時に指導されていたことがありました。
それが西式健康法です。西式の6大法則を以下に記載します。 


①平床寝台:硬くて平らなベッドに寝る。
②硬枕利用:カマボコ型の木の枕を使う。
③金魚運動:仰向けで、足先を揃え、金魚が泳ぐような格好で身体を左右に震わせる。
④毛管運動:仰向けで、両手両足を垂直に上げて、これを微振動させる。
⑤合掌合蹠運動:仰向けで、両手のひらと両足の裏を合わせる。この状態で両手両足を押し付けあったり、少し運動させたりする。
⑥背腹運動:座った状態で、背骨と腹の運動を同時に行う。
 

指導には、さらに冷温浴が含まれました。
冷温浴とは、冷たいお風呂と熱いお風呂(温度差20度以上が必要)に交互に入るというものでした。

家庭のお風呂で実践するので、湯船は二つなく、一方はシャワーでやらざるを得ません。私の場合は、冷浴のほうをシャワーでやることにしました。
新潟の11月、初めての水シャワーは死にそうなくらいつらかったのを覚えています。


しかしこの冷温浴により、自律神経の切り替えのスピードが速くなり、しっかり活動すべきときには交感神経が活性化し、休息が必要な場面では副交感神経が活性化するような体質に変わっていくのです。



ライオンの無料アイコン2.png運動の大切さがすっぽり頭から抜け落ちていた!

 

その後、平成16年に自然療法中心の湯川クリニックを開業しました。

この頃にはすっかり元気になり、食事療法も西式も冷温浴も当初よりかなり雑になっていましたが、それでも病気になることはほとんどありませんでした。

このクリニックでも食事指導を取り入れ、一生懸命にやっていました。自分がやった生菜食療法では当然のことながら患者さんは実践できないので、少し緩めの食事指導をしました。

緩めと言っても、世間一般の食事と比べればかなりの我慢を強いる内容になっています。このような食事を患者さんに実践してもらうことで、改善していく患者さんを多数見てきました。食事の力はすごい、と感じる瞬間です。

しかし、まじめに食事療法に取り組んでいるにもかかわらず、なかなか改善しない患者さんがいたことも事実です。

このような患者さんにいったい何が足りなかったのか?

こう考えたときに、自分が西式の運動療法と冷温浴を同時にやっていたのだと気付いたのです。

当時は食事の力をまざまざと見せつけられていたため、運動の効用がすっかり頭の中から抜け落ちていました。そのころから運動指導も重要だと意識し始めたのです。

それから数年が過ぎ、湯川クリニックは大繁盛。
私はますます忙しくなり、運動指導をする自分が全く運動しなくなるという、矛盾した状況となりました。

当然のことながら、体調は最悪です。仕事漬けの毎日の中、睡眠時間を削り、患者さんのために尽くす自分に酔いしれていた時、日曜日の朝、目覚めたら12時を過ぎていたということがありました。
さすがにこのままではまずいと思い、仕事をセーブし、運動する時間をとることにしました。

体調はみるみる改善していき、肩こりや昼間の眠気がなくなりました。この時、運動することがいかに大切かをあらためて知ることができたのです。

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当院では20代から70代の方まで、幅広い患者様が加圧トレーニングを行っています。

ライオンの無料アイコン2.png足が整うことの大切さに気付く

 

私が湯川クリニックで運動指導をしていたとき、西洋医学では運動指導をしていなかったか、というと実は糖尿病専門医などはしていました。

糖尿病の改善には運動療法が有効なので、特にウォーキングが勧められることが多かったと思います。
しかし、まじめにウォーキングを続けている患者さんの中に、膝痛、腰痛に悩まされ、ウォーキングを続けるのを断念してしまったという方が数人、湯川クリニックを受診しました。
糖尿病専門医は、患者さんが膝痛、腰痛で悩んでいても、整形外科医に紹介して終わりです。


私はクリニックに来た患者さんに、CSソックス(足指を伸ばし、足の形を適切にするサポーターソックス)を履くように指導し、また、靴も足に合わせた適切なものにするようお勧めしました。CSソックスを履いた瞬間、痛みが軽減した患者さんもいましたし、徐々に痛みがとれてウォーキングを再開できるようになった患者さんもいました。

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CSソックスは普通の5本指ソックスとは履き心地が全く違っています。
実際に履いてもらうと多くの人がその意味を実感します。子ども用から大人用まで、サイズや長さ、色や素材も豊富です。

足が整っていることがいかに重要か、この経験を通じてしっかりと腑に落ちました。


私自身、子どものころ虚弱体質で運動していなかったせいか、大人になっても筋力が全体に弱く、骨が歪みやすかったので、肩こりや腰痛に悩まされてきました。カイロプラクティックで治療を受ければ、その時は良くなるものの、なかなか効果が持続しないという日々が続いていました。

ある時、靴を変えると骨の歪みが治るという話を聞き、靴を作ってもらいました。
これで肩こりや腰痛から解放されると思いきや、残念ながら首がまったく回らなくなってしまったのです。

もうこんな靴捨ててやると思っていたとき、知り合いがある靴屋さんを紹介してくれました。その靴屋さんで足の悪いところを指摘してもらい、CSソックスを履くよう指導を受け、かつ、靴も正しい作り方で作り直してもらいました。
そうしたら、あら不思議。首の痛みが消えてなくなってしまったのです。


私が足の大切さに気付いたのも、そんな自分の体験に基づいています。


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時々開催する講座でも、足元を整えることの大切さをお話しています。

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講座の参加者のみなさんに、実際に履いて体験してもらっている様子。足に装着しているのは「足指元気くん」というサポーターグッズです。

ライオンの無料アイコン2.pngまとめ

 

自分が病気のデパートだったおかげで、いろいろな経験をすることができ、そのひとつひとつが現在の仕事に結びついています。これらの経験から得たものを多くの方に伝えることができるのは大きな喜びです。次回は足のことをもう少し詳しくお話ししたいと思っています。

 

※この文章は2017年11月19日に開催された第3回湯川クリニック健康講座のために書き下ろした文章です。